楽器名一覧
ブブゼラ Vuvuzela
ブブゼラ

ブブゼラは、南アフリカでサッカーの応援に使われているプラスチックで出来たラッパ。ワールドカップでは「盛り上がって活気がある」との声もあるが、その反面「うるさ過ぎる」と悪評も含めて有名になった(2010年ワールドカップ)。

クドゥ (kudu)

大きな貝殻や、動物のツノを使ったラッパは各地で古くからある。ブブゼラはクドゥのツノが起源といわれている。
ツノは中が空洞になっていて、先が細くなっているので管楽器には都合がよい。ホルン、トランペット、コルネットなどの近代的な金管楽器も起源を辿れば同じだ。
プラスチックでできたブブゼラは南アフリカの民族楽器という表現があるが、これは民族楽器とは言いわない方がいいでしょう。南アフリカで流行っている商品でしょうから。



角笛

動物のツノを使ったラッパ

角笛
南アフリカで開催のワールドカップ
ブブゼラは一躍有名になった

当時の各紙より引用させていただいた


(2010年6月17日 読売新聞)
W杯・応援用の「ブブゼラ」、130デシベルの轟音

 「ブーン、ブーン」。熱戦が続くサッカー・ワールドカップ(W杯)南アフリカ大会。各競技場ではにぎやかにブブゼラの音が鳴り響く。応援用の楽器というが、もとは何だったの?
 14日の日本―カメルーン戦。ブルームフォンテーンの競技場では、両国の応援席でブブゼラを吹き鳴らすサポーターの姿が目立った。ユニホームの色に関係なく、南アではサッカーの応援に欠かせない道具のようだ。
 とにかく、すごい音量。各国の代表選手たちからは、「審判の笛が聞こえない」「ピッチで互いの声が届かない」と苦情が出ている。青空市場など街のいたるところで手に入り、日本からの観戦客も手軽に競技場に持ち込んでいる。
 在日南ア大使館の関係者によると、元来は先住民が集団で狩りに出る際、団結を誓うのに吹き鳴らした楽器で、ウシ科の大型動物「クドゥ」のツノで作った笛が起源という。日本なら、戦国時代のホラ貝のようなものだろう。
 多民族国家の南アは言語も多種多様。アパルトヘイト(人種隔離政策)の撤廃以降、スポーツの応援で一致団結しようと国民に急速に普及したといわれる。
 街で売られているブブゼラはラッパ状で、ほとんどはプラスチック製。長さは1メートル弱。子ども用の短いタイプもある。現地では高くて1,500円程度。サポーターはひもで肩からぶら下げ、競技場にやってくる。
 1人で力いっぱい吹くと、「プオーッ」。これが何千、何万人もの合奏になると、「ブーン、ブーン」と虫の羽音のような響きになる。
 競技場での音量は130デシベルといわれ、ガード下の電車の騒音(100デシベル)を軽くしのぐ。このため、現地では耳栓を買い求めるサポーターが続出しており、耳栓が全部売り切れた店もあるほどだ。
 日本でも人気は急上昇。アフリカ雑貨店「キュリオショップ」(愛知県半田市)では5月下旬、各国のユニホームの色をあしらったブブゼラを輸入し、インターネットなどで売り出したところ、約800個を完売した。現在は「入荷待ち」ながら、カメルーン戦の勝利も手伝い、問い合わせが殺到しているという。
 ただ、日本ではJリーグが開幕した1993年、欧州発祥といわれる応援用の小型ラッパ「チアホーン」が、競技場で使用禁止になったことがある。これは競技場への行き帰りに吹き鳴らす人たちがいて、住民などから苦情が相次いだため。今回のW杯をきっかけに、Jリーグなどの応援グッズとして定着するかは、サポーターのマナー次第だ。

(2010年6月18日 読売新聞)
ブブゼラうるさい!…静音化、TVはカット放送

 民族楽器、ブブゼラを製造するケープタウンの会社が、音量を抑えた新製品を発売することになった。
 ロイター通信によると、口に触れる部分を改良することで、134デシベルから121デシベルに落とせるという。この会社は今年、250万本を製造している大手。会社のオーナーは「この静音バージョンはファンの間で受けると思う」と自信を示すが、121デシベルでもロックコンサート並みの音量で、ごう音にさらされ続けることで難聴の恐れもあるという。スタジアム内では、拳銃の発射音に相当する140デシベルに達することがあるとの研究者の調査もある。
 また、フランスの有料テレビ「カナル・プリュス」は、ブブゼラの音だけを消して放送することに成功したとAP通信が17日伝えた。
 世界各国でブブゼラの人気は高まっており、英国のチェーンストアでは、1個2ポンド(約270円)のものが、2分間に一つの割合で飛ぶように売れているという。

(2010年6月19日 西日本新聞朝刊)
ブブゼラ「音量に熱気」 坂本元村長 現地での応援語る

 サッカー・ワールドカップ南アフリカ大会で、初戦で日本代表に敗れたカメルーンは20日午前3時半(日本時間)から、デンマークと対戦する。負ければ決勝トーナメント進出が絶望的となるため、大事な一戦となる。南アから帰国した元中津江村長の坂本休さん(79)は「厳しい戦いになるだろうが、なんとか結果を出してほしい」とエールを送っている。
 また、坂本さんは、今大会で話題になっている民族楽器ブブゼラについて、「会場では大音量で耳栓をしている人もいたが、 私はイベントを盛り上げる熱気を感じた」。お土産として4本を持ち帰っており、中津江小学校などに贈るという。

(2010年6月8日 スポニチ)
ブブゼラ対策に耳栓?デンマーク選手も検討していた

 W杯1次リーグで日本と対戦するデンマーク代表のDFラース・ヤコブセン(30=ブラックバーン)は7日、南アフリカとの強化試合で、民族楽器「ブブゼラ」対策に耳栓を検討していたことを複数の地元メディアに明かした。「試合前に耳栓を検討したが、皆に反対されて止めた」と、実際には試合では使用しなかった。
 また、3万人が同時に鳴らすブブゼラの影響について「初めて体感したが、ひどかった。ベンチの声もピッチ上の選手の声も聞こえなかった」と語った。

(2010年6月19日 朝日新聞社)
「ブブゼラ」、実は大半が中国製 商機とらえ大量生産

サッカー・ワールドカップ(W杯)で、地元・南アフリカのサポーターたちがスタジアムで吹き鳴らし、世界中に有名になったラッパ形チアホーン「ブブゼラ」。 民族楽器がルーツとされ、騒々しい低音が特徴の応援グッズは、実はその大半が中国製だ。 W杯を商機と見込んだ広東省の工場などで大量生産されている。
(中略)
 中国の経済紙・毎日経済新聞によると、中国でブブゼラを生産する工場は広東省のほか浙江省などに数社あり、プラスチック製ブブゼラの9割は中国製とみられる。W杯会場では出荷時の20倍以上の値段で販売されているという。 試合会場でサポーターたちがいっせいに吹き鳴らすブブゼラの騒音には、選手たちから、チームメートの声が聞き取れないといった不満が出ている。 仏ケーブルテレビ局は、テレビ中継の視聴者からも苦情が多いことから、騒音をカットして放送を試みている。

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