グーチン(古琴)は中国の楽器。
箏(そう)ではなく琴(きん)である。日本では箏と琴がゴチャマゼになって「こと」と称しているが、もともとは明確な違いがある。
箏は、それぞれの弦がブリッジによって調律されていて弦長は固定。
琴は、ブリッジがなく指で押さえて弦長を変えて演奏する。
グーチンは、3000年以上もの歴史ある楽器で、宮廷で高貴な人たちによって演奏されたという。デザインを考慮しなければ、弦楽器としてはとても単純な構造。削り出しの木箱に7本の弦を張ってあるだけでフレットはない。
単純な構造だけに演奏には高度なワザが必要となる。
左手で弦を上部から押さえて右手ではじく。比較的低音が鳴る。構え方は違うがチェロをピッチカートで弾くという感じか。ただし、グーチンは弦を押さえた左手を滑らせてポルタメントを頻繁に使う。その奏法は無形文化遺産として登録されているらしい。
被写体として絵画にもよく登場する楽器で、上のイラストは中国の古い白黒の線画を模写させていただいた。
徽(き)と呼ばれるポジションマークが付いている。