楽器一覧(弦鳴楽器)
ステッセル リュート Stoessel lute (Stössel Laute)
ステッセル・リュート Stoessel lute
ドイツ生まれの楽器。不思議な形である。
特に左の小さいのは・・・ヘッドを描き忘れたのではない。 リュートという名前が付いているがどうもあやしい。リュート属は、ネックを横から掴むようにして弾くことが当たり前なので、これではなんとも首が短すぎて扱いにくそうである。
この不格好な弦楽器は、 演奏のしかたを見てみる と納得する。指板のテッペンに手を添えて弦を押さえるのである。
そう、これはリュートに似た形ではあるけれども、リュート属の楽器ではない。右のちょっと大きめのベース弦がついてるステッセル ベースリュートを見れば、チター属であることが分かる。 リュート属はネックがあるのだけど、この楽器のフレットが付いている指板部分はネックではないのだ。 ネックが無いのでヘッドも無い。チューニングはボディの底あたりにあるチューニングピンで行う。
このページでは、名称を ステッセル・リュート と書いている。 この楽器はドイツ生まれなので、故郷のつづりで書くと Stössel Laute である。 もともと外国語を日本語表記するのは正確にはできないのだけれども、この楽器を言い表すカタカナ定番がよくわからない。英語から導いているステッセル・リュートとかいう日本語発音はとてもいい加減。ドイツ語となるともっといい加減になる。

 まず Stössel について・・・・・
ドイツ語では「S」 一文字で「シュ」に近い発音をするのではなかったか。そして 「Ö」は、「O と E 」を一緒にしたような発音。吐き気がして「おぇ!」てな感じか。 となると、カタカナで書くのは無理があるにしても「シュトエッセル」がまだ近い発音なのかもしれない。
 そして Laute であるが・・・・・・
英語では「lute」で「リュート」。ドイツ語の「Laute」は、「ラウテ」と書くのが案外一般的のよう。

 つまり、この楽器名を母国のドイツ語に近い発音でカタカナ表記すると「シュトエッセル・ラウテ」となる。

ドイツ語からの「シュトエッセル・ラウテ」も、英語からの「ステッセル・リュート」も、一般市民には馴染みのない言葉。 多分こんな感じかなと表記したのであって、この楽器のカタカナ表記の市民権は まだ与えられていない・・・ようだ。




  ヨーロッパの古楽器

私家版 楽器事典 / 楽器図鑑
gakki jiten