能管 のうかん
能管は、能や歌舞伎などで使われる笛。
一目見ただけだと龍笛と区別がつかないが、能管には管の内部に特殊は仕掛けがしてある。
歌口と指孔の間に「喉(のど)」と呼ばれる竹の管が仕込まれていて細くなっている。これによって「ひしぎ音」という甲高い音を発する。
音程はハッキリしないが、これはこれで能管のひとつの特徴でもある。
能管の構造
喉と呼ばれる部分は 管の内径が細くなっている
竹に漆(うるし)が施されていて、指孔の部分以外にはは樺巻(かばまき)といって桜の表皮を細くしたものを巻きつけてある。
能管は竹を裏返して作るという。裏返すったってストッキングをクルリと裏返すようにはいかない。竹を縦に8つに割り、硬くなめらかな表面を内側にして組み直すんだとか。
樺巻・・・漆・・・裏返し・・・喉・・・。ものづくり、日本人のコダワリか。
能管は、内部の細くなっている部分により不安定な音がでる。調律(音の高低)も楽器個体ごとに違う。
メロディを奏でるのではなく、効果音としての笛といっていいだろう。
例えば 幽霊が出てくるときの
♪ひゅい〜
とかいう音は能管だ。
私家版 楽器事典
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楽器図鑑 gakki jiten
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