
フルート
Flute
古い時代のフルート
もともと縦笛(リコーダー)もフルートと呼ばれていた。混乱をさけるためにフルート・トラ・ベルソ(横向きのフルート)と表現し区別していた。
小さな穴を指で直接ふさぐ方法をとっており、音が貧弱で、特に低音がうまく出なかったとさ。

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べームシステムのフルート
現在のフルートは、ドイツの演奏家であり楽器製作者でもあるテオバルト・ベームが考案し製作したもの。
1847年に発表されたものがベームシステムとして現在でも使われている。
特徴は下記の通り
先にいくほど細くなっていた筒を、ほぼ真っ直ぐな筒にした。
指孔を大きくした。
指孔は半音ごとに並んでいて、キーのメカ駆動によって操作できるようにした。
素材に金属(銀など)を使った。
近代的なフルートのほとんどが金属製であるが、現代においても少数ながら木製フルートは生産されている。
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古くよりフルートは、大きな会場で演奏してもしっかりと聞き取れるよう楽器製作者により数々の改良が加えられてきたが、このベーム式が現れたたことにより改良の余地のない完成されたフルートとなった。
金属でできたフルートは、唇が触れる部分にリッププレートという台座がついている。これは、木でできていた時代のフルートと外径を同じ太さにするためのものだ。
金属で作ると内径が同だと外径は薄くて小さくなるため、このような部品をつけることになった。
ちなみに、モーツァルトやベートベンは、音の貧弱なフルートしか知らずに亡くなった。モーツァルトはフルートをあまり好ましく思っていなかったようだ。なにせ音が小さくて性能が悪かったから。
このすごいベーム式フルートは彼らの死後発表されたわけだ。残念。

私家版 楽器事典 / 楽器図鑑 gakki jiten
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