楽器一覧(弦鳴楽器)
三線 さんしん
三線 さんしん

三線は日本の弦楽器。
中国のサンシェン(三絃)がその祖先であり、1400年ごろ琉球に持ち込まれたと云われている。



三線を弾く女性

沖縄・奄美の音階
琉球音階 / 沖縄・奄美の音階
「レ」と「ラ」が無い

 私達が普段使っている音階はド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シで7音が基本(高いドも含めると8音)。テレビやラジオで流れている音楽、学校で習う歌もこれにならっている。
 そんな中で、5音で構成されている音階があり、ペンタトニック・スケールとして世界中に存在する。沖縄・奄美で伝統的に使われていた音階もその一つで、「琉球音階」と呼ばれている。 琉球音階は、ド・ミ・ファ・ソ・ラ・シ で、レ と ラ が無い。この5音だけで適当にメロディを奏でると、なんとなく沖縄民謡風になる。
 とはいえ、普段使っている ド・レ・ミ・・・ で、たまたま レ と ラ を抜いてメロディを作ったと言い換えてもいいのであって、西洋音楽、ポップス等になれ切っている私達は、5音階ペンタトニック・スケールがどうのこうのというウンチクは、普段 気にすることがないのかもしれない。 琉球音楽には西洋から取り入れられた コード(和音)が無いので、三線なんかで弾く単音での伴奏は琉球音階が最適だったのだろう。
 ただ、西洋音楽が基本の脳味噌に仕上がった私達は、詳しい理論は分からなくても ハ長調なら(例えば) C・F・ G7 というミュージシャンが使う主要なコードが知らぬ間に染み込んでいて、音楽が鳴っていると勝手に和音の中に入り込んでしまっている。 私達は、和音という心地よさに乗っ取られている。洗脳されているといってもいい。
 三線などを使った琉球音階が、西洋音楽の仲間に入ってきている現代、少々困ったことがおきる。レ と ラ が ないというのは、西洋のコード進行にそぐわない場合がある。伴奏に和音があたりまえの西洋音楽で編曲するとカッコいい曲作り(コード進行)ができない場合がある。 でもね、そこはそこ、適当に合体することで、新しく琉球音階を主に歌を作っても ところどころに レ と ラ が入り込んでいることが多い。西洋音楽 + 琉球音楽が融合している楽曲が数多く登場してきているんだ。

三線 さんしん
サンシェン | かんからサンシン 琉球・沖縄の楽器

私家版 楽器事典 / 楽器図鑑
gakki jiten