楽器一覧

竽(う)
竽(う)は、笙(しよう)と同じフリーリードの楽器。長さが1メートルほどあり低音担当。管は30本以上のものもあったようだが、19本や17本が多い。
正倉院には呉竹竽(くれたけのう)とうい名称で宝物として保存されている。

日本には、奈良時代に中国から伝えられたという。高音の笙は現在でも雅楽で使われているが、低音の竽 はやがて使われなくなった。

竽の笛(うのふえ)とも呼ばれる。



よく似た漢字だけど 違う漢字

小さな文字では見にくいでしょうから、大きな文字にしました。
[う]
発音が一文字なので、とても扱いにくい。「う」をWebで検索してもこの楽器がヒットすることはまずない。ちゃんと漢字を入力しないとね。

よく似た漢字で「竿」があるが、竿は物干し竿や釣り竿の「さお」であって「う」ではない。

竿[さお]



四字熟語:濫竽充数 (らんうじゅうすう)

「濫竽充数」とは、能力がないのに いかにも才能があるかのように振る舞うこと。そして、分不相応の地位に居座って能力以上の待遇を受けること。

中国戦国時代のこと。宣王という君主が 竽 の合奏を聞きたくなり、300人ほどの楽人を集めた。その楽人の中に混じって才能がないのに適当に吹く真似だけをしていたバカ野郎がいた。
そのバカ野郎は「ウソ楽人」として優遇されていたが、独奏しなければならない状況になり凡人であることがバレちゃった、という故事から。
「濫竽」は、でたらめに竽を吹いている、「充数」は必要な数を満たすという意味。


私家版 楽器事典 / 楽器図鑑
gakki jiten