楽器の名前一覧(気鳴楽器)
グアン Guan
管(グアン)
グアンというのは、そのまま「管」のことであって、英語でいうなら pipe とか tube になる。この楽器の名前は「管」だ。イギリスなどでは笛のことをパイプと呼ぶのと似てる。
もっとも中国はとんでもなく広いので「guanzi(グアンズ/管子)」と呼ぶ地域や「bili(ビリ/篳篥)」とも呼ばれているようだ。
ちなみに、朝鮮半島には pili(ピリ) という同系列の管楽器があるけれども、たぶん同じ名前が訛って伝わっているのだろう。
日本に「ひちりき」として伝わったのは6世紀ごろだという。

中国では楽器の改善に熱心だ。
神戸の税関で見たのだけれども、押収された二胡が展示されてあった。これはおそらく表面の蛇皮が輸出入禁止だったので押収されたのだろう。 それはともかく、その二胡にはチューニング用のペグにウォームギアが組み込まれていた。 二胡独特デザインを損なうことなく新しい技術をなにげに取り入れている。あとで分かったのだけれども、二胡のヘッドにはウォームギアが組み込まれているのはすごく当たり前のことのようだ。
この「管」にしても、もともとは竹と葦の素朴な作りだったのだろうけど、例えば金属のデザインを施してみたり、西洋音楽の調律に調整してみたりで、地球規模的な音楽に見合うようにどんどんと改善されている。
すぐ近くの日本ではどうかというと、中国から伝来した箏(こと)や琵琶も三味線も、なかなか新しい機構を取り入れたりしない。いいのか、悪いのか、判断しづらいね。


管(グァン)/ 管子(グァンズ) グアンは演奏するのがとても難しい。
中国には、「シェン(笙)は学習するのに100日かかるが、グアンは学習するのに1,000日かかる」と、ことわざの様な表現があるらしい。

ピリ ピリ(觱篥)


私家版 楽器事典 / 楽器図鑑
gakki jiten