2008年5月
読売新聞記事より
正倉院宝物で、世界で唯一現存する五弦の琵琶「螺鈿紫檀五弦琵琶」(長さ108センチ、全幅31センチ)の螺鈿細工に、
当時の日本では使われていない高度な技法が用いられ、現在では入手困難な大きな貝が使われていることがわかり、宮内庁正倉院事務所(奈良市)が28日発表した。
漆工芸家で螺鈿を手がける人間国宝北村昭斎さん(同市)が模造品制作のために調査。螺鈿を用いたほかの約20点の宝物と制作技法を比較した。
五弦琵琶の螺鈿の中には、他の宝物より、深く細い切り込みがあるものがあり、糸ノコギリのような工具を使用したと判明。
下部のらくだの細工には、大小14枚の夜光貝が使われており、中には元の大きさが長さ6センチ、幅5センチと、宝物の中で最大のものもあった。
北村さんは「日本の職人がこの技術を上回るのは11世紀以降。唐からの伝来品とされてきたが、細工や材料からもそれがうかがえた」と話している。
右のイラストは、私が描いたもの。
撥皮の部分には 駱駝に載った吟遊詩人が描かれているが、この部分を切り出したて見た。螺鈿紫檀五弦琵琶はその名の通り5本弦であるが、吟遊詩人の持つ琵琶は4弦なんだね。
駱駝に載った吟遊詩人を拡大
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螺鈿紫檀五弦琵琶の新聞記事