楽器名一覧
ナッカーラ Naqqara

ナッカーラ/ネイカー

音程の違う二つの太鼓が組になっていてトルコなど西アジアで古くから使われていた。馬やラクダの背中に載せて叩いた。 ナッカーラは手に持って運ぶことができる大きさだけど、13世紀ごろヨーロッパに伝わり、大型の太鼓になった。現在のティンパニだ。
ネイカー(Naker) とも呼ばれるが Naqqara と同じ語源なんだろうね。

でも 表打ちと裏打ちが逆なんだね
ナッカーラはティンパニの祖先であると、あれこれ書籍に書かれている。確かにそうなんだろうけど楽団の中でその役割はちょっと違う。
古くトルコの軍楽隊である メヘテルハーネ では ダウルやキョスいう大太鼓が強拍を打ち(表打ち)、ナッカーラはアフタービート(裏打ち)だ。 小柄なナッカーラは「ウン タッ・ウン タッ」というリズムがあったとすれば「タッ」の部分を強調して打つ。つまり、現在でいうサイドドラム(スネアドラム)と同じビートを打つ役割ということ。
ティンパニは「ウン」の部分を打つわけで、ナッカーラがティンパニの祖先だったとしても、リズムを刻む役割は表と裏で逆になってる。

だからね、ちょっと思うんだけど ・・・
当時のナッカーラがサイドドラムの役割を担っているのであれば、2つの太鼓の音程を4度とか5度にチューニングする必要があったのだろうか。4度・5度調律は、ピッチのはっきりとした釜形太鼓としてナッカーラを紹介する文献ではよく書かれている内容ではある。 たしかにヨーロッパのティンパニはベース音を強調するため4度とか5度に音程調整し、迫力のベース音で楽曲を盛り上げるのに無くてはならない存在だけど、アフタービートを担うナッカーラは音程重視はあまり必要なさそうだ。 むしろ大型のキョスが迫力のベース音で「ド」と「ソ」を強調し楽曲を安定させていたのではなかったか。
そんな気がする。


トルコの楽器
ティンパニ | キョス

私家版 楽器事典 / 楽器図鑑
gakki jiten