
パンデイロ Pandeiro
ブラジルのタンバリン。
というか、ブラジルではタンバリンのことをパンデイロという。
というか、ブラジルではタンボリンというタンバリンに似た楽器がある。
というか、ともかく、上の写真はパンデイロだ。
パンデイロは、サンバや
ショーロ
で用いられる。
皮(ヘッドという)の張り具合を調節したり叩く位置などで、どんどこと低い音にしたり、ぱんぱんと高い音にしたりで、奏者の好みや音楽形態にあわせて演奏する。
また、指でヘッドをギュギュギュと滑らせてジングル(ちっちゃなシンバル)を小刻みに震わせる方法も用いられる。
このジングルは表面に見えている2枚重ねだけではなく、中にはさらに小さめのジングルが組み込まれていて、3枚だったり4枚だったりする。これは、余韻を少なくしシャッキリとした音で小気味よい響きにするため。

ちなみに、古くスペインの北西の地方に
角型のフレーム・ドラム
があり、この太鼓はパンディロと呼ばれていた。ブラジルのパンデイロはここから受け継いだ名前のようだ。
パンデイロを支える左手は、中指などで裏側から皮を押さえてミュートし音質を変える。
叩くのは右手の親指、親指以外の指の腹、親指の付け根の柔らかい部分など、それぞれの場所を駆使してリズムを刻む。
ガリシアン・パンデイロ Galician pandeiro

スペイン・ガリシアの角形パンデイロ
Pandeiro や Pandeira という名前は、スペイン・ガリシアでフレーム・ドラムを表す言葉として存在している。
めずらしい四角いフレームのドラムがあって両面に皮が張ってある。
ブラジルのパンデイロはこの名前を引き継いだと思われる。
私家版 楽器事典
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楽器図鑑 gakki jiten
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