楽器の名前一覧(弦鳴楽器)
シターン Cittern
シターン / Cittern
シターンは、ルネッサンス時代から使われているヨーロッパの古楽器。当時では珍しく金属弦が使われていた。
古楽器とはいうものの形状や弦の配置などが違う楽器が数多く生まれ、現在でもその子孫は愛用されている。
形状だけではなく、それぞれの地域でイングリッシュギターポルトガルギター、などの名前を持つ楽器に影響を与え、これらは ひっくるめてモダン・シターンとかいう名称でネック付きの弦楽器の総称の様に紹介されることもある。 また、 クィンテルナセテラ もシターンの流れを受けた兄弟楽器だ。

シターンを演奏している男性のイラスト
上のイラストは、8弦(複弦4コース)だが、単弦のものあり、弦の数は定まっていない。

フェルメール(Johannes Vermeer)の絵画 「恋文 The loveletter」
フェルメールの絵画「恋文 The loveletter」(部分)
オランダの画家・ヨハネス・フェルメールは、楽器を演奏している女性を多く描いている。「恋文」もそのひとつ。
手紙(恋文)を受け取って当惑しているの女性。手紙を受け取るまではシターンを弾いて唄でも歌っていたのかもしれない。


ジョン・プレイフォード(John Playford)発行 ルネッサンス・シターン / Renaissance Cittern
イングランドで1600年代に出版された書物の挿絵
モノクロの画像に色を付けさせていただいた

コルシカ島では セテラ Cetera という名前で16弦(複弦8コース)の楽器も作られている
散髪屋にシターン
Wikipedia(英文)で Cittern の項目を見てみると
こんなことが記載されていた。
 17世紀ごろのイギリスの理髪店(English barber shop)ではシターンを置いてあって、自由に弾いてちょうだいということをやっていた。 待っている客人や散髪している人を楽しませるという趣向。人気のある楽譜も配布されていたという。



セテラ Cetera (Cetara)
コルシカン・セテラ / Corsican-cetera
16本(8コース)のコルシカン・セテラ Corsican-cetera
セテラは、地中海のコルシカ島が発祥の楽器で、シターンとの兄弟楽器。 弦は通常16本(8コース)で、18本(9コース)の楽器もあったようだ。
17世紀ごろの古楽器ではあるが、新しく糸巻きに金属ギアを使うなどして復活させたモダンなセテラが作られており、今もコルシカで活躍している。

イングリッシュ・ギター | ポルトガル・ギター

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私家版 楽器事典 / 楽器図鑑
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