ユーナックフルート
Eunuch flute

ユーナックフルートは、ミルリトンの仕組みを使った中世の楽器。マイクロフォンみたいな丸っこい部分に向かって声を出すと音質が変わる。
フルートというのは中世ヨーロッパでは笛のことであって、縦笛も横笛もフルートだった。現代でいう、いわゆるフルートは「横のフルート flauto traverso」とか呼ばれてた。
縦型のこの楽器も笛ではないけれど、形からフルートという名前を付けたのだろう。
では、ユーナックとは何ぞやというと「去勢」という意味がある。もう少し具体的には「去勢された男」「無能な男」ということになる。何とも嫌な響きである。
ならば、ユーナックフルートは「笛なんだけれども、もはや笛としての機能を果たさない笛」とかいう意味合いになるのだろうか。
この去勢された笛は、たまねぎフルート(Onion flute)とも呼ばれている。
ミルリトン
私家版楽器事典
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楽器図鑑 gakki jiten
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