ミルリトン
Mirliton
ミルリトンは、薄い膜を振るわせて音を出す仕組みをいう。
紙を口にあてて「あー」と言うと「」という音になるね。ミルリトンはそれだ。
ミルリトンの仕組み持った楽器は「膜鳴楽器」として分類されてしまうので太鼓の仲間ということになる。だが、どう見ても太鼓ではない。
膜をたたくのではない。たたくと薄い膜なので破れてしまう。そもそも、たたけるような構造になっていない。
左上のイラストは、アメリカでおもちゃとして売り出されたカズー。右は竹で作ってあって、膜の位置が違うが仕組みは同じだ。
下のパフパフラッパみたいなのはユーナック・フルートとよばれるもので、球の部分に向かって声を出したり歌ったりするとミルリトンの効果で音質が変わるようになっている。
コンゴのマリンバ(バラフォン)は共鳴器に瓢箪が使われているが、ここになんとミルリトンの効果を組み込んであるのだ。
瓢箪に穴を開けてクモの分泌物(卵嚢 らんのう)をはりつけてある。イラストの白くて丸い部分がそれ。
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バラフォンのヒョウタンにはクモの卵嚢
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横笛にもミルリトン
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中国のディーズ(笛子)はミルリトンの効果を出すための穴が開いている。専用の穴に竹紙をはって、ちょっとハスキーな音に鳴らせるわけだ。
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私家版楽器事典
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楽器図鑑 gakki jiten
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