瑟
しつ
瑟は、中国の古来より伝わる弦楽器。弦は古くは50本や20本などあったようだけど、現在では25本が標準。弦の数が多いので、いわゆる箏(そう/こと)と比べると幅が広い。
瑟は、中国語発音で「Se」ということなので、日本人はどうも扱いにくい名前だね。
なぜ箏の文字には「あらそい」という文字が
むかしむかし、中国に瑟の名手がおりました。
そして似合いのとても立派な瑟を持っておりました。
名手には二人の子供がおりまして、二人とも、その瑟を欲しいと言い出し、争いまで始めてしまいました。
そこで名手である親父さんは、いたしかたなく12弦と13弦にして2つの楽器に作り替えました。そして ひとつづづ子供に与えたとのことです。
後に、12弦の楽器は朝鮮に、13弦の楽器は日本に伝わったのでございます。
かようなわけで、箏の文字には「争(あらそい)」という文字が含まれているのです。とか。
琴瑟相和
「琴」と「瑟」が調和して心地よく鳴り響くという意味。転じて夫婦の仲が良いことを表すようになった。
四文字熟語として「琴瑟相和(きんしつそうわ)」、また「琴瑟(きんしつ)」と二文字の表現でも仲が良いという意味になる。「琴瑟相和す(きんしつあいわす)」という表現も。
12弦:朝鮮半島の伽耶琴
|
13弦:日本の箏
|
私家版楽器事典
/
楽器図鑑 gakki jiten
|