ハリセン
張扇
「ハリセン」と「はりおうぎ」はどちらも「張扇」と書くのだろうけど用途がちがう。
ハリセンは、自分ではなく他人の頭とか尻とかにぶつけて音を出す数少ない鳴り物である。ぶつける時の掛け声は「なんでやねん!」が一般的ではあるものの、ハリセンで叩く叩き役は「バカヤロウ!」とか「ちゃうやろ!(ちがうだろ)」とかいうアドリブを駆使する。
「おしおき」にも使うことがあり、かつて「名物ハリセンチョップ!」が決まり文句で、商業的にも成功したグループもあった。
ハリセンを使うにあたっては、必ず実行しなければならない決まりがある。それは、叩かれた方は怒らないのがルールであり、叩かれた瞬間に『バカ顔』をするか、もしくはそれに類似する数秒間のパフォーマンスをするのが約束事となっている。
叩かれた瞬間に舌を出したり、上目遣いで『マヌケづら』をするのは磨きぬかれ訓練されたある種のリズム感を要する。
また、叩かれる者は、叩かれるのを待っているという状態を作ることもあり、これを専門用語で『ボケの誘導』という。
この高等な技術とそのルール(お約束)はどこで発生したのかは定かでないが関西のある地域で生まれたのではないかという説が有力だ。
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