手拍子といえばこんな唄もあった。
♪ 森の木陰で ドンジャラホイ シャンシャン 手拍子 足拍子・・・・
この唄は、パラオ原住民のことを歌った「土人のお祭り」というのが原作らしい。「森の木陰で・・」ではなく「椰子の木陰で・・」だったんだと。
いつの間にか、日本のお祭りを想像させる唄になっている。
話は変わって、私が若いころ(1980年より前かな)歓迎会やら新年会では、先輩のおじさん達が手拍子をたたきながら、そして全員がそろって手を打ちながらこんな唄を歌っていた。
カラオケなんて無い時代だ。
♪
○○○○好きな虫 何ちゅう虫 頭ツンツルテンで目がひとつ ・・・とか
♪
正月や 正月そうそうやりたがる 娘もしたがるカルタ取り ・・・とか
♪
ひとつ出たホイのよさホイのホイ ひとり娘とやるときは ・・・などなど
下品で卑猥な歌詞のオンパレードである。SEX を歌っていて言葉は下品ではあるのだけれども、何かほら、アッサリとしてて、笑いとばしてて、大袈裟に言うならば清々しいのよね。違うかな。
この時の伴奏が「手拍子」である、1拍目と3拍目にたたく。これら猥歌は、「4拍子系の3連符で、分解すると12ビート*」だ。歌っている本人は 12ビートなんて分かっちゃいなくても、このリズムは手拍子に乗りやすい。
1拍目と3拍目にたたいて、2拍目と4拍目の隙間は手をこすり合わせるのである。
こんな宴会のなかで、突然 3拍子系の唄を歌い出すおじさんもいたりしてね。例えば ・・・
♪
知床の岬に ハマナスの咲くころ ・・・てな具合で「知床旅情」を歌い出すと、手拍子がバラバラになる。「蛍の光」「仰げば尊し」「早春賦」「惜別の歌」「星影のワルツ」など、心に染み入る楽曲に馴染んではいるものの、おじさん達は4拍子と3拍子の区別がつかない。
そして、また話は変わって。
ビートルズもハンドクラップを採用している。
1963年の『I Want To Hold Your Hand』、1968年の『Ob-La-Di, Ob-La-Da』なんかにね。
さらに、話は変わる。
♪
・・・ 知らぬ同士が 小皿叩いて チャンチキおけさ ・・・・
というわけで、手拍子ではなく、小皿をたたくのもありだ。
平民は酒の席でのパーカッションは小皿であるが、平安時代の高貴は人たちは違った。
公家の位の高い人が持つ笏(しゃく)というのがあって、正装である束帯(そくたい)を着る時は、手に持つという習慣になっていたらしい。
高貴な人でも酒の席では羽目をはずすようで、この威厳のある笏を叩いてクラップにして騒いだそうだ。で、そんなこんなで、
笏拍子(しゃくびょうし)
という名を与えられ、雅楽の打物になったとか。
*
4拍子系の3連符
関西にお住まいの方ならご存知と思うが「関西電気保安協会」のテレビコマーシャルの歌(サウンドロゴというらしい)で
「♪かんさい でんき ほ〜あんきょ〜かい 」
と、少々 オトボケなコーラスが入る。
あれは「4拍子系の3連符」なのだ。
いただいたタオルに印刷されている楽譜
を見てちょっと感動。そして少し笑える。