100円ショプのリコーダーである。
2015年2月。近くに100円ショップが開店したので、自転車に乗ってブラっと見に行った時、買ったもの。
ジャーマン式
100円なのに割りと丁寧な説明書がついていたりする。
「ジャーマン式」ということで、運指表が記載された紙片が付属している。楽器の裏側に小さく「G」の文字が入っているのは German-fingering を表している。
リコーダーには「ジャーマン式(ドイツ式)」と「バロック式(イギリス式)」があって、現在日本を含めて普及しているのはジャーマン式だ。
両者は下から3番めの音孔の大きさが違う。バロック式が正統的なものでジャーマン式は1930年代にドイツで考案された。ジャーマン式は「ファ」の指使いが簡単なため、またたく間に普及し、日本でも学校教育ではジャーマン式が多い。
(ナツメ社 よくわかる楽器の仕組み より)
スケルトン
「ソプラノ スケルトン リコーダー」と商品名が付いていた。
スケルトン(skeleton)というのはガイコツのことであって「骨組み」「骨格」といういう意味に使われる。だから透明という意味ではない。
1998年に売り出したアップルの iMac というパソコンが大ヒットしたこともあり、スケルトンという言葉が頻繁に使われるようになった。iMac は本体カバーが透明で、中身が見えるので(骨格が見えるので)スケルトンという言葉を使って売り出したのだろう。日本語の「透ける」が重なって「スケルトン = 透明」となったのかも知れない。
リコーダーは筒状で中に骨格がないのでスケルトンではない。
でもまあ、日本では「透けるとん」という意味合いが定着しているので、それはそれでいいか。
それにしても、ひゃっひゃっ 100円 !である。中国製ではあるものの、日本のメーカーが外注委託しているし、日本での販売経費もかかる。で、100円 というのは安すぎ。
リコーダーは、黒檀や楓(かえで)などを使った高級なものと、プラスチック製とでは音質はほとんど変わらない(いや、まったく変わらないのではないか)。もちろん個々に出来栄えが違うので音質・音程に良し悪しはあるのでだろうけどね。
この100円リコーダー、私が鳴らす限りではちゃんとリコーダーの音が出るし、音程もしっかりしている。リコーダーは 音を出しやすく 吹くだけで鳴る という楽器である。ただし、息の強弱やタンギング、高音部での指穴の微妙な押さえ方もあり 音程をしっかり出すとなれば、そんなに簡単ではないというのはわかった上で・・・。