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ビオラ・ダ・ガンバ
Viola da gamba
ヨーロッパの古楽器(ピリオド楽器)といえば、まず ビオラ・ダ・ガンバの名が出てくる。16〜18世紀の代表的な弓奏楽器である。
古くイタリアでは弦楽器に「肩のリラ」とか「腕のビオラ」などという名前をつけているが、ビオラ・ダ・ガンバは「脚のビオラ」だ。
ガンバは脚である。プロ・サッカー「ガンバ大阪」のガンバと同じだ。
サッカーではボールを脚に挾んだらダメらしいけど、この楽器は脚に挟む(逆に この楽器を脚で蹴ると反則ではないにしてもよくない行為であるということは一般的な常識であろう)。
似た楽器で現在のチェロにはエンドピンという支え棒が付いているが、ビオラ・ダ・ガンバには無い。両足でボディをギュッと挾んで演奏する。
古楽器とはいうものの、現在でもバロック時代の音楽を再現した音楽会ではこの楽器がよく登場する。当時のままの楽器ということでエンドピンは付けない。女性であっても股に挟む。ガニ股気味になるけれども。
考えてみると、バイオリンは顎に挟むが、これってすごく行儀の悪いことだよね。股に挟む、顎に挟む・・・あぁ、この行儀の悪いスタイルをヨーロッパの人は勇気を持って採用し定着させたのだ。
この楽器は絵画にも よく登場する
ジャン・マルク・ナティエの絵画 ”王女アンリエットの肖像”
フランスの肖像画家ジャン・マルク・ナティエ(パリ生まれ 1685年3月17日 - 1766年11月7日)の作品をIROMBOOKがイラストに描き直したもの。
王女が演奏しているのは、ビオラ・ダ・ガンバ。ただし、フランスでは ビオール(viole) と呼ばれているので この絵の場合はビオラ・ダ・ガンバではなくてビオールのほうが正しいのかもしれない。
私家版 楽器事典
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楽器図鑑 gakki jiten
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