私家版楽器事典
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スタンプ フィドル Stump fiddle(Jingling johnny)
スタンプ フィドル(ストンプ フィドル)
Stump fiddle(stomp fiddle)
釣鐘型ベルとウッドブロックを取り付けたスタンプフィドル カウベルとパフパフラッパを取り付けたスタンプフィドル
スタンプフィドルは、地面や床にぶつけてベーシックなリズムを打ち鳴らし、長いコイルスプリングをスティックで ジーシャカ・ジーシャカ と擦ってリズムを刻む。 楽しい打楽器だ。
日本人が名前だけを聞くと地面や床にスタンプするというように受け取ってしまうのだけれど Stamp ではなく Stump である。 Stump は「切り株」。なぜ切り株なのかよく分からないけれども、切り株に打ち付けるというところからきているのだろうか。
さらに Fiddle であるが、なぜ Fiddle なのか?・・・ さて・・・フィドルは弓奏楽器(弓で弦を擦って音をだす楽器)の総称でもある。 スタンプフィドルの形だけを見ると、スティックで弦を擦るように見えるかもしれない。誰かがふざけて「まるでフィドルのようだ」というのを「フィドル」と言い切ったのかもしれないね。
ジングリング・ジョニー とも。


モンキー スティック Monkey stick
モンキー スティック / ラガーフォン Monkey stick / Lager phone
モンキースティックも スタンプフィドルの仲間
モンキースティックという名前は、大道芸に関係あるらしい。 大道芸人が芸をするサル(日本でいう猿回しみたいな?)に変わってこの楽器を使い始め、こう呼ばれるようになった...という。
 棒は箒(ほうき)の柄などを利用し、上部ヘッド部分に色々な人形を冠している。空き缶を顔に見立てたり、人形そのものを取り付けてあったりする。 音響をよくするために、金属食器なんかを利用しているのは共通している。
 床に打ち付けたり、棒で叩いたりしたときにジャラジャラと音が出るようにガラス瓶の王冠を多数使っている。 オーストラリアでは ラガーフォン(Lager phone)と呼んでるらしいが、ラガー(ビール)の王冠をジングルがわりにしているところからきているんだろうな。
ラガーフォン / Lager phone
ラガーフォン Lager phone
 飾りっけのないラガーフォン。王冠をずらりと並べてある。
 本体を床に打ち付ける。スティックで叩く。また、ギザギザをつけたスティックで本体の棒を擦ってジャラジャラと(タンバリンのロール奏法みたいな)音を出したりもする。
 オーストラリアやニュージーランドではブッシュバンド(bush band)というフォークミュージックを演奏する伝統的グループがある。 王冠ジャラジャラのラガーフォンはこんなグループから生まれたという。
ターキッシュ・クレセント
悪魔のバイオリン
ウォッシュタブ・ベース


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