機械式のタイプライターにヒントを得たということで、なるほどタイプライター式のキーがついており、
ピアノやオルガンと同じようにハ長調で白鍵と黒鍵が配置されている。
右の方へ行くほど間隔が狭くなってしまうのは音程を変化させる弦の物理的性質からして致し方のないところ。
数本のスチール弦が張ってあるが、総て同じ音程である(オクターブ違いの弦を含めている)。
総て同じ高さの音にチューニングしても、それぞれの弦はごくわずか音程が狂うし、音色だって微妙に違う。
数本の弦をまとめてはじくので、はじかれるタイミングも完全に同時ではない。このわずかな音の狂いや時間差が大正琴が大正琴たる由縁の独特の音となる。
大正琴は、名古屋の森田吾郎(本名 川口仁三郎)が発明とある。発明とはちょっと違うぞとは思うが、「琴」を鍵盤の様式で演奏する
というのは独特のアイデアである。
大正元年。当初「菊琴」という商品名で発売されたそうだ。
インドにも大正琴が持ち込まれていて、どういうわけかバンジョー(indian banjo)という名前がついている。
ギターが弾ける人ならば、案外この鍵盤は不要かもしれない。鍵盤もそのカバーも取っ払って小脇に抱えて演奏すれば
いい。鍵盤で押さえるより闊達な奏法を駆使できるような気がする。なんか長方形のマンドリンのようになってしまうけれど。
|
キーが均等配列になっている大正琴
フレットに合わせてキーを配列すると、高音になるほど(ハイポジションになるほど)幅は狭くなる。
そのあたりをうまく調節して均等なキー配列にした大正琴もある。
ハーディガーディ
|
ニッケル・ハルパ
ブルブルタラング
|
アコルドリア
私家版 楽器事典
/
楽器図鑑
gakki jiten