弦長を変える方法としてキー(鍵盤)で押さえる構造は13世紀ごろにはヨーロッパの民衆楽器として すでに存在していた。
大正琴は、パチパチと紙に文字を打ち付けていく
機械式タイプライター
のキーを参考に考案したとあるが、森田吾郎は、これらヨーロッパの鍵盤式弦楽器を知っていたのだろうか。
大正琴には共鳴弦が付いている。共鳴させる専用の弦というのはインドやヨーロッパでは古くから多用されていたが、日本ではその発想は無かった。
キーを使って音程を変える ・・・ そして共鳴弦。これらは、下記のヨーロッパの楽器を参考にして取り入れたのではなかろうか。
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ニッケル・ハルパ
ニッケル・ハルパはスウェーデンで使われている伝統的な楽器。弓でこすって演奏する。
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ハーディガーディ
ハーディガーディはヨーロッパで広く使われていた古楽器。円盤を回して弦をこする。
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ニッケルハルパやハーディガーディは、弦をはじくのではなく、擦って演奏する楽器。ヨーロッパの古い弦楽器はメロディ弦の他に共鳴用の弦やドローン弦が張られているものが多い。
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