スライド・トランペットはスライド管を採用した金管楽器の元祖である。
マウスピース部を伸ばす方法はルネッサンスの頃に登場したようだが、上のイラストはトロンボーンと同じ様に「U字管」をスライドさせる機構で、19世紀のイギリスで考案された。
サックバット(トロンボーンの元となる金管楽器)は、スライド・トランペットを参考にしたということなので、スライド・トランペットはスライド管の元祖ということになる。
ただし、スライド・トランペットはU字管を後ろに伸ばす方式を採っていた。奏者の耳のあたりにビヨーンと伸ばす。さらにはゼンマイのクルクルバネが付いていて、奏者が力を抜くと元の位置に縮まるという機構を備えていた。
電気掃除機の電源コードが本体に吸い込まれて収納するというアイデアは、このスライド・トランペットを参考にしたのかもしれない。