楽器の名前一覧(膜鳴楽器)
(タオ/とう)
鼗鼓

鼗 は、中国・朝鮮半島の振り鼓(ふりつづみ)。いわゆる「でんでん太鼓」だ。鼗鼓 (タオク)とも書き、日本流に読むと「とうこ」。

小型の丸胴の両面太鼓に棒を通して、太鼓の胴に結びつけた短い2本のひもにある小さい球が鼓面を打つ。 太鼓が何個ついているかによって個別の名前があって、2個を上下に重ねたものを路鼗(ろとう)、3つのものは 雷鼗(らいとう)、4つのものは霊鼗(れいとう)。

通称では、プーランク(搏浪鼓/波浪鼓)と呼ばれているようだけど、沖縄にはパーランクーという太鼓がある。 パーランクーは振り鼓ではないけれども、手に持って叩く太鼓だ。この名称には何かしら因果関係があるに違いない。
さらにヨーロッパには、やはり手で持てる大きさのバウロンとかボーランという名の太鼓がある。搏浪/波浪は、このバウロンが中国で漢字に変換されたのだろうか。

[タオ/とう]
小さな文字では見にくいでしょうから、大きな文字にしました


インドのダマル
インドの でんでん太鼓
中国のでんでん太鼓・鼗鼓は、もともとインドの打楽器。 ヒンズー教のシバ神の絵画では ダマル という でんでん太鼓 をもっているのが定番。

雲中供養菩薩像の鼗
雲中供養菩薩像の でんでん太鼓
インドで生まれたクルクル回して音を出す太鼓は、中国を経て日本にも伝わった。平等院・鳳凰堂の壁には色々な楽器を奏でる雲中供養菩薩像が懸けられている。 その中のひとつに鼗を持つ像がある。

信西古楽図の奚婁鼓
信西古楽図の でんでん太鼓
信西古楽図(唐舞画)は、唐時代の舞楽、雑楽、散楽などの様子が描かれた巻物。


その他 いろんな太鼓を見てみよう

私家版 樂器百科全書 / 樂器図鑑
がっきじてん