羯鼓/鞨鼓
かっこ
雅楽で使われる太鼓。鉄のリングに馬の皮をはり、調緒(しらべお)呼ばれるヒモで絞めつけてある。羯鼓の調緒は革製だ。
演奏は、床に置いて細いスティック状の桴(ばち)で両面をたたく。
羯鼓の奏者が桴を手にすると、他の演奏者に演奏を始める合図となる。
また、リズムの速度を決めるメトロノームのような役割を受け持つ。羯鼓の奏者はコンダクターなわけだ。
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奏者は左右の手に長さ26cmの細長いバチを持ち、左右の革面を打って拍子を数えて楽曲の進行を導く。
その打ち方に正(せい)と来(らい)の2種類があり、正は拍の頭にひとつ打つもので、来はこれを細かく打つもの。
来に片来(かたらい)と諸来(もろらい)があり、片手で打つ来は初め緩やかに追々急速にするストリンジェントに相当し、両手で打つ諸来は左右の手で細かくトレモロ風に打つ。
ふつう正と来を交互に用いる。 鞨鼓を打つものは合奏のリーダー役にあたる。
新音楽辞典:楽語 音楽之友社 より引用
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小鼓/大鼓
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桶胴太鼓
雅楽で使われる羯鼓は、曲の進行を決める役割がある。架台に載せて、両手の桴で演奏する。
雲中供養菩薩像の羯鼓
平等院鳳凰堂の菩薩像にある雲中供養菩薩像のイラスト。52体の菩薩像があるが「雲の上でバチを持ち羯鼓を叩いている菩薩像」もある。
信西古楽図の羯鼓
信西古楽図は、唐代 宮廷の宴饗楽を墨画で描いたもの。羯鼓の他にもたくさんの楽器奏者が巻物に描写されている。
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私家版 楽器事典
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楽器図鑑 gakki jiten
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