グランドピアノ
Grand piano
改良に改良を重ねたとはいえ、なんとも複雑な構造の楽器を作ったものだ。ピアノの部品は、グランドピアノでおよそ1万個もある。 ピアノ1台を作るには、丸太から始めて木材を何年も乾燥させてから使う。フルコンサートピアノの木材は10年以上も天然乾燥さて使うこともある。 さらには、木材の丸太だって何十年も経って成長しているのだから、百年近くもの歳月のすえピアノは出来上がるものもあるということになる。
ピアノのいうのはいったい何が鳴っているのだろう。
ご存知のとおり弦だ。 はたして本当に弦が音をだしているのかな。
違う。実際に音をだしているのはピアノ全体だ。 鍵盤が押し込まれてアクションのハンマーが弦を叩く。弦が振るえる。 弦そのものが空気を振動させているわけではないので弦が鳴っているわけではないようだ。弦の両端に支点部分が響板を震わせ、さらにピアノ全体を振るわせている。
ハンマーピアノの発明者はイタリアのクリストフォーリであることは誰でも知っている。しかし、ハンマーで鍵を押して音を出すことは15世紀に試みられていた。
それは、フランスのアンリー=アルノー・ド・ツォールという人の手記に、小さなハンマーを落として作音する図形などがあったといわれる。 また、神父キルヒアの1673年出版の「Phonurgia」には,」竪型チェンバロに小さなハンマーを利用することが示されているという。
このような試みがあったとしても、今日のピアノについてはクリストフォーリが創始者であることは定説になっているのである。
図解 世界楽器大事典 黒澤隆朝(くろさわたかとも)著
より
初期のピアノ
私家版 楽器事典 / 楽器図鑑
がっきじてん