私家版楽器事典    楽器の分類 楽器と人物 楽団/バンド/民衆音楽 民族
動物を素材にした楽器

三線 さんしん
三線はヘビの皮を胴に張っている。
三線(さんしん)

三味線 しゃみせん
三味線はネコやイヌの皮を胴に張っている。
三味線

チャランゴ charango
チャランゴはアルマジロの胴体を共鳴箱に使うことがある。
チャランゴ

キハーダ quijada
キハーダはウマやロバのアゴの骨を乾燥させて作る。
キハーダ

ダマル Damaru
人骨だ。どこの骨だかよく見れば判る。
ダマル

カンリン Rkang gling
これも人骨だ。大腿骨。
カンリン

バイオリンの弓 Violin bow
バイオリンの弓はウマのシッポの毛。
馬のシッポを使ったバイオリンの弓
バイオリン本体の弦には羊の腸を使っていた。

太鼓 たいこ/Drum
動物(獣)の皮をはった太鼓。
獣の皮を使ったドラム

ツノの笛/象牙のラッパ Bugle / Ivory horn
牛の角(つの)や象牙で作った管楽器。hornは、つまりホルンだ。
獣のツノを使ったラッパ 象牙を使ったラッパ

爪のラットル Hoof rattle
ヤギの爪で作ったラットル(ガラガラ)。
ヤギの爪で作ったラットル Hooves rattle

リラ Lyre / Leier / Lira
世界のいたるところでこの形の弦楽器は作られ、様々な材料が使われる。
これは亀の甲羅を使ったリラ。
亀甲を使ったリラ

ザンポーニャ Zampogna
羊をまるごと
イタリアのバグパイプ:ザンポーニャ

動物を素材にした楽器
三線
三味線
チャランゴ
バイオリン
カメのリラ
キハーダ
ドラム
ラットル
つのぶえ
バグパイプ

その昔、音好きの人々は音が鳴る道具を作りたくってしょうがなかったのだ。 最初はたたいて音が出るだけでよかったのかもしれない。石をたたく、堅い木をたたく。 そして、筒に獣の皮を強く張るとポンポンとよく鳴り響くことを発見する。
骨や角ではラッパや笛を作った。さらに、音の高さに変化をつけるようにしたいというわけで穴を開けたり長さを変えたりした。
また、羊の腸や蚕(かいこ)の糸から弦を作って原始的な弦楽器を作った。 空洞の箱に弦を張ると音を大きくしよく響くことが分かった。弦は太さ・長さ・張りの強さで音程が調節できることを知り、高い音と低い音が同時に鳴るときの調和(和音)の心地よさも体験した。
こうして人々は「音が鳴る道具」から音楽という快楽を手に入れることとなったのだ。

科学が発達した現在、性能のよい合成樹脂ができて皮も弦も強くていい音がでる素材に変わってきた。でもやっぱりバイオリンの弓は馬のシッポだし、三味線はイヌかネコの皮だ。
動物愛顧?・・何言ってるの。毛のついたままのコート、壁にかけてある鹿の首だけの飾り物、日々食卓に並ぶ牛肉・豚肉・鶏肉。可愛そうだと思って毛皮を着るか、肉を食うか。そうだろ。



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