儀式や伝達の道具として使われたラッパ
ウシや羊などの角(つの)は、軽くて丈夫なうえ中が空洞になっているため、先端に穴を開ければそのままラッパになる。
狩りでは仲間に合図を送ったり、動物を追い込んだりする道具として、また儀式や戦闘の合図にも使われた。
イスラエルではショファールと呼ばれた角笛があり旧約聖書にも登場する。
金属加工技術が発達し銅や真鍮の管で作られたコルノ・ダ・カッチャは、その名も「狩りのラッパ」という意味であり、馬に乗った猟師が肩にかけて持ち運びできるような形状になっている。
これは、楽器としてのホルンになり、さらに音程を操作できるバルブが発明され現在のフレンチホルンが出来上がった。
郵便配達の合図をする道具であるポストホルンや、戦闘合図用のビューグルも、バルブが取り付けられて現在の金管楽器として活躍している。
コルネットやフリューゲルホルンがそれである。
ツタンカーメンのトランペット
古代エジプトのツタンカーメンの墓からは長さ50センチほどの管楽器が発見されている。金や胴でできていて、すでに文字通り金管楽器である。
「トランペット」と呼んではいるが、これは発見された後からラッパの総称としてトランペットと名づけているだけで、現在のトランペットと直系の祖先という意味ではない。