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ヨーロッパの
擦弦楽器





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ガイゲは「もも肉」

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フィドル と レベック
Fiddle and Rebec
むかしむかしのヨーロッパの擦弦楽器

むかしむかし 西の国 欧州にはフィドルとかレベックとか呼ばれる、馬のシッポの毛で弦を擦って音曲を奏でる鳴物がございました。

・・・とはいうものの、弓で弾く弦楽器はどこで生まれたのかよく分かっていない。
「馬のシッポの毛の束に乾燥した松脂をこすり付けたものを、強く引っ張った羊の腸のヒモに90度方向からこすりつけるといい音がする」 ということを考え出したのはいったい誰なんだろう。 ヨーロッパへは、遠くアジアのモンゴルあたりからやってきたのかもしれないし、アラビアあたりから伝来したのかもしれない。

ヨーロッパ、ゴシック時代にはフィドルを弾く人物が絵画に描かれていたりする。形や大きさや弦の数もそれぞれで、楽器の持ち方も様々。

フィドルもレベックも弓で弾く弦楽器の総称というべきものなのだけれども、さらにヨーロッパという多言語の地域では呼び方、方言がやたらと生まれた。 ビオラ/ビュエル/フィドルなどはまったく違うようだけど語源は同じ。そして、バイオリンは「小さいビオラ」という意味から名づけたようなので、名前からいえばバイオリンよりビオラのほうが先輩である。
また、レベックがシカのもも肉に似ていることから、誰かがこれを(ジーグ/gigue)とニックネームで呼び出した。今でもドイツではその呼称を引き継いで擦弦楽器をガイゲ(geige)という。

フィドル
フィドル


レベック
レベック

フィドル(ビュエル)
フィドル(ビュエル)

フィドルとレベックは胴の構造が違う
フィドルは表板・側板・裏板が別々の部品として作ってある(上)。 レベックは丸ごとの木を削り出して作ってあり、表板を貼り付けている(下)。
レベック
レベック

突然 現るバイオリン
バイオリン
現在のバイオリンは、フィドルやレベックを基にして完成された。 しかも突然に完成されたんだね。
1550年ごろ北イタリアで、もうこれ以上の改良の余地のない完璧な楽器が誕生した。現在にいたってもその頃と同じ材料で、同じ作り方で、同じ形で生産されている。 ちょっとだけ違うのは、ほんの少しネックの角度が大きくなっているのと、指板も少しだけ長い・・・それくらい。

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gakki jiten