水の力によって音をだす装置である。中央付近に支点を設け、一端を切り取った太い竹筒に水を注いでいくと、水が満杯になる。その水の重みで竹筒が傾く。水がこぼれて内部が空になると竹筒が元の位置に戻る。
その時、竹筒のお尻が石を叩いてカーンという音が響く。
この装置は「添水(そうず)」という。
「鹿脅し」というのは、田畑をあらす動物や鳥を追い払う装置の総称。なので、風でカタカタと音を出す「鳴子(なるこ)」も鹿脅しの一種だ。
いつか、添水のことを鹿脅しと呼ぶようになり、鹿脅しといえば添水のことを指すようになった。
で、イノシシを追い払うので「獅子おどし」ではないのかと考えるのであるが、鹿脅しが正しい。「しし」とは鹿(しか)のことである。