私家版楽器事典 楽器の材料 楽器事典の目次

楽器の材料について
弦(げん)
リード

竹や葦で できている
瓢箪で できている
陶器・土で できている
動物を素材に使ってる
日用品を使ってる

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弦(げん)

弦が無ければただの箱
弦を持たない弦楽器はない。当たり前であるが「弦」あってこその弦楽器である。 ところが、案外と弦楽器は本体の作り方ばかりに話題がおよぶ。

例えばバイオリンなら木材の原木の種類や産地、乾燥の年月、秘伝のニスの調合、ボディの形や容積・・・などなど。
ギターでも同じようなものだ。表板はどこそこのスプルース材だから明るくキレの良い音だ・・・とか。 私なんぞはそんな細かい事までを気にしてギターの音を聴いたことがないので違いがよく分からなけれども、いずれにしても弦によって音質が全く違うことを抜きにして語っているようだ。

音の良し悪しは、素材と楽器職人のノウハウや技術に大きく左右されるだろうし、また現代の優れた音響科学や加工技術をもって最良音質の楽器が作られている。

なるほど そうなんだけれども、なぜ弦が音質を決めることの話題が少ないのだろう。 特にスチール弦やナイロン弦は、個人の腕の良さだけでは到底作り上げることのできない高い技術が集積されている。 楽器作りの名人は本体の木材の加工技術であり、それはそれで立派であるのだけれども、金属加工や化学繊維の技術は、個人が一生懸命勉強して修行を積んだとしても作ることができない。 素材を分子レベルまで研究し尽くしてモノを作る科学者・技術者のほうが確実に偉いと私は思う。

ストラディバリウスも「弦が無ければただの箱」である。


弦の素材
強く引っ張っても切れない。 これが弦の第一条件。
スチール日本語では炭素鋼。強く引っ張っても切れないスチールを作る研究があって現在のスチール弦がある。楽器用の高品質なスチール素材はミュージックワイヤという名称で区別する事もある。
ガット羊の腸を乾かしたもの。湿度や温度によって変化しやすいのが欠点。ガットの代用として現在では、ほとんどナイロンを使っている。
絹(きぬ)繭からとれる絹糸である。三味線や箏に使われている。三味線の糸の黄色い色はウコンで染められる。
ナイロン米国のデュポン社が開発した化学繊維。ポリアミド繊維の総称であり、ナイロンは商品名。
ポリエステルPETボトル材質と同じ仲間。絹に比べ数倍、引張りに強いため、三味線や箏の細い弦に使われる。テトロンは日本企業の商品名。
フロロカーボンとても強い化学素材。釣り糸に使われることのほうが多かったが、ウクレレやクラシックギターにも採用されている。
馬のシッポバイオリンなどの弓の毛として使われることが多いが、馬頭琴では弦にも馬のシッポの毛が使われる。
蔓(つる)植物の蔓。古代の人々が使った弓矢の弓には蔓が使われていたと思われる。狩猟用の弓が楽器に変化したとするならば、蔓も楽器の弦として使われただろう。
竹(たけ)竹の表皮。竹筒を共鳴器として(本体として)使うが、その竹の表面部分を切り出して弦にする。東南アジアの竹筒琴など。



巻弦
バイオリン
バイオリンに張られた4本の弦

バイオリンに張られた弦
細い方からE線・A線・D線・G線
バイオリンの巻線

バイオリンの巻線
(第4弦 G線)の例

ナイロンなどの化学繊維を束ね、鉄・ニッケル合金の丸線を巻いてある。さらに、銀(またはアルミ)の平線が逆方向に巻かれている。

アコースティックギター
バイオリンに張られた4本の弦

ギターに張られた6本の弦
ギターの場合、巻線は3弦〜6弦。1弦と2弦はプレーン弦だ。
ギターの巻線

ギターの巻線の例
スチールのピアノ線の上に、黄銅の丸線を巻いてある。黄銅の丸線がスプリングバックで、ほどけていかないように芯のスチール線は六角形にしているものがある。

ピアノ
ピアノ

ピアノに張られた弦
ピアノの鍵盤は88鍵盤だが、弦は200本以上。総ての弦の張力は20トンにもなるという。
pianoーの巻線

ピアノの低音部は2重巻線
スチールのピアノ線の上に、細い銅の丸線を巻き、その上に太い銅の丸線を逆に巻いてある。
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