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イングリッシュギター English guitar

イングリッシュ・ギター
名前の通り英国で使われていた弦楽器。 「使われていた」というくらいだから、古い楽器だ。1700年代の後半、英国ではとても人気があったという。
調弦の仕組みが変わっている。ぐるぐると弦を巻くのではなくて、ぐいぐいと引っ張る方式。 懐中時計のキーでネジを回してチューニングする方式・・・ウォッチキーシステムというらしい・・・で、これは、ドラムの皮(ヘッド)を締め上げる方法と同じだ。 同じ様なチューニングの機構はポルトガルギターでも採用されている。
弦は (2本×4コース)+2本=10本  高音部の8本の弦は2本組で低音部の2本は単弦。
English guitar
イングリッシュ・ギターは、 鍵盤で弦を鳴らすという珍しい構造 を持つものもあった。


イングリッシュ・ギター
イングリッシュギターは1700年代の後半、英国で人気があった

鍵盤付きのイングリッシュギター
鍵盤付きのイングリッシュ・ギター
イングリッシュギターには鍵盤がついているものがあって(このイラスト)、鍵盤を押さえると、それぞれの弦を叩くというカラクリが内部に組み込まれている。 便利だか不便だかよく分からないけどね。

鍵盤付きのイングリッシュギター
弦を叩くイングリッシュ・ギター
もうひとつ鍵盤付きのイングリッシュギター。
音響ボックス内部に「支点・力点・作用点」の構造が組み込まれている。ピアノの様なキーを押し付けると、サウンドホール(飾りがあってローズと呼ばれる)から、ハンマーがピョンと出てきて弦を打つ。 2本組、6コースの弦が張られていて、それぞれに対応するキーも6個ある。
さて、この有棹弦楽器でありながら打弦楽器という実用新案?の楽器は 当時ヨーロッパで多く受け入れられたか、というと... 残念ながら、広く浸透することはなかったようだ。思うに、楽器としてのパフォーマンスは複雑な構造取り入れたものの大したことはなさそうだもの。
でも、とても珍しい構造なので、博物館などに当時の楽器が丁寧に保管されている。

ポルトガルギター | シターン ヨーロッパの古楽器


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