ビオラ・ディ・ボルドーネ
(バリトン)
Viola di bordone
(Baryton)
なかなか上手に描けたと自画自賛のビオラ・ディ・ボルドーネである。
この楽器は、ビオラ・ダ・ガンバと親戚で、ビオール属という仲間に入る。弦は表に6本で、裏側に12本の共鳴弦(もっと多いものもある)。
18世紀前後にヨーロッパ(主にドイツやオーストリア)で使われていて、バリトンとも呼ばれていた。
6本の弦を弓で弾くのだけれど、裏側の共鳴弦がこの楽器の最たる特徴である。
共鳴弦とはいうものの、左手は表面の弦を押さえつつ、裏弦を親指ではじくのだ。
チェロも親指を使うけどハイポジションの指板上で弦を押さえるだけ。ギターも Fスタイルのコードを押さえる時、ネックを掴むようにして親指を使ったりする。
でも、ビオラ・ディ・ボルドーネは違う。裏弦をボンボン弾くのだよ。
他の弦楽器では縁の下の力持ちであった左親指は、多様な要求に応えるべく新たな仕事をまかされることとなった。
さて、この複雑怪奇な高度なテクニックを要する弦楽器のために、ハイドンは 175曲もの楽曲を書いているらしい(200曲以上だという噂も)。
演奏家は大変だ。どんな楽譜を渡されたのだろうね。
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