いろいろある楽器の中で、太鼓のナッカーラ。
1200年代にはナッカーラとかナケールとかネイカーとか名の太鼓がヨーロッパに現れる。
ナッカーラがヨーロッパに伝わったというわけだ。トルコのメヘテルハーネでは2台セットの太鼓は、ナッカーラの他にキョスがある。
この2種類がヨーロッパに伝わり、名前はナッカーラ(またはその方言)と名乗ったのかもしれない。
いずれにしてもトルコの軍楽隊で使われていた太鼓が、後にティンパニとなるべくヨーロッパに普及していったのだった。
この「トルコのナッカーラ」と「ヨーロッパのティンパニ」の関係は、書籍あれこれでずいぶんと語られているけれど、西だけではなく東へも伝わっているのですよ。中国新疆ウイグルにはナグラ、インドにはナガラがあり、
いずれもスティック(マレット)で打ち、基本的に大小2台1組。基本的にというのは、ナグラは2台以上、ナガラは1台だけでも演奏することがあるので。
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メヘテルハーネのイラストは、18世紀に描かれた細密画をグラフィックソフトで再スケッチしたもの