カンボジアの バー・ツィター
狩猟に使う弓から弦楽器は作られたという。 弓そのものを口にくわえて音を出す遊びを誰かがやり始めたのがきっかけ。
しばらくして、木の実などの殻をくっつけると音が大きくなることに気づいた。実用新案である。
そして、狩猟の弓は弓、音を出すものは音楽器具として、その目的や機能が分化してそれぞれのカタチに別れたんだね。
楽弓(がっきゅう)と呼ばれるものは、もはや「狩猟の道具」ではなく「音を奏でる道具」として成り立ったのであった。
カンボジアのアンコール・ワットには楽団の壁画(レリーフ)があって、その一員として棒に弦を張った一弦琴を弾く男性が彫られている。
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アンコール・ワットのレリーフ
瓢箪らしき共鳴器が付いているのが分かるでしょうか。これは、ツィターや箏(そう/こと)の祖先であり、また、棹(ネック)のある弦楽器、つまり、リュートやギターの原始的な姿であるといえる。
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