私家版楽器事典

絵画や壁画の楽器

阿弥陀聖衆来迎図
楽器を弾く天使(ハンス・メムリンク Hans Memling の絵画より
鈸(はつ)
篳篥(ひちりき)
横笛(よこぶえ)
笙(しょう)
排簫(はいしょう)
鉦鼓(しょうこ)
楷鼓(かいこ)
大太鼓
拍板(はくばん)
方響(ほうきょう)
壱鼓(いっこ) 羯鼓/鞨鼓(かっこ)
箜篌(くご)
琵琶(びわ)
箏 (そう)

極楽浄土では いつも音楽が流れているという
浄土教系の仏教では、「南無阿弥陀仏」という称名念仏により浄土に往生できると説く。 浄土とは、仏さまや菩薩さまが住み一切の煩悩や けがれの無い、清浄な国土。浄土には様々な種類があり、その中でも阿弥陀如来のいる浄土のことを「極楽浄土」いう。 苦しみがなく、楽しみだけがあるという世界。気候がよくて 美しい音楽も流れている。つまり、死後に行きつく理想の場所。
でもね、極楽浄土へは、けがれの無い者、悟りを悟りをひらいた者だけがいけるんだって。けがれの無い人を装ったりしてもダメなんだろうな。

阿弥陀聖衆来迎図
来迎(らいごう)というのは、人が死ぬときに阿弥陀仏が極楽浄土に導くために迎えにくること。 聖衆来迎図は阿弥陀如来が多くの菩薩をともなって、極楽浄土から雲に乗って臨終の者のところに現れる様子を描いたもの。菩薩の中には15人の「奏楽菩薩」がいて、それぞれが それぞれの楽器をもって天空の音楽を奏でている。
数ある来迎図の中でも最高傑作とされるのは高野山の聖衆来迎図で、国宝となっている。

下記 : 世界楽器大辞典(黒沢隆朝 著)*1 より引用

... これは楽器に興味を持つものには見落とすことのできないものである。
実物は高野山の霊宝殿という宝物館の正面にあるもので、中央阿弥陀三尊と諸菩薩、その左右に金色の雲に乗った一五人の楽天が天上の楽を奏している。 これは、平安中期 恵心僧都(えしんそうず)の筆といわれるもので、恵心は源信(げんしん)とも号して浄土信仰に徹し、多くの名著を残した学僧であった。
阿弥陀信仰は南無阿弥陀仏を唱えれば、西方浄土から二十五菩薩が金色の雲のハイヤーをしたてて、お迎えに来るというので、恵心僧都はこれを実相として描いたものといわれている。 その後、来迎図が流行して、浄土宗寺院には欠くことのできない図柄となった。しかし この絵を凌ぐ名画はでなかった。
また、黒沢隆朝氏は「拍板」について こんなことも書いている
... (向かって左の)最後部に拍板のようなものが描かれている。 これも敦煌か唐代の仏画によったものであろうが、この楽器は日本では行われていなかったので、次第に変形して、宇治の平等院の欄間彫刻*2 にあるようなアコーディオン形になって明治の美術研究家を悩ませた。
このようなものを「手風琴ようなもの」と美術誌に書いたのでおかしなことになった。...

*1 【図解】世界楽器大事典
*2 平等院・雲中供養菩薩像の拍板


絵画や壁画の楽器

楽器を弾く天使(メムリンクの絵画より) 楽器を弾くペルシャの女性 中国 竹林の七賢 ウイグルの音楽家

テーベの壁画 ニュルンベルクの町の楽団 小学校吹奏楽団の練習(mokko) ポッペンを吹く女 尺八を吹く男

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