マイケル・ジャクソンが亡くなったことよりも、私には加藤和彦が亡くなったことのほうが感慨深い。
思い返せば中学生のころ、もう40年以上も前のことであるがフォーククルセイダースの「帰って来たヨッパライ」は私にとって衝撃的な出会いであった。
近くの店でイヤホンで聞く500円のラジオを買って「帰って来たヨッパライ」が流れてくるのを聞いていた。何度も何度も聞いた。何度も何度もラジオから流れていたからね。
テープレコーダーにゆっくりしたリズムで歌を録音し、それを2倍の速さで再生すると、可愛くって、とぼけていて、愛嬌のある音声になる。
ほんの少しギターが弾けるようになっていたもんで、自分で作詞作曲してフォークルの真似をした。アングラ・ミュージックという言葉も何かゾクゾクワクワクするような面白さが潜んでいて、勉強大嫌いな私はフォークソングにはまりこんだ。
私の音楽好きはこの頃から始まっており、ゼファーズというバンド結成も中学生だった。当時若者に人気のあったMBSヤングタウンという番組に出演しフォークルのメンバーである北山修にスタジオで出会ったり(単に偶然同じスタジオに居合わせただけですが)、YAMAHAポップスコンテストで特別賞をもらったり・・・で、20歳を過ぎたころには本気で作曲家になるぞと考えていたりもした。
今思えば、作曲家になるなんて笑い話なんだけれども、さあどうだろう、現在でも曲作りではそんじょそこらの軟弱なプロフェッショナルより才能はあるんじゃなかろうかと勝手に思っていたりしていてね・・・。
私の音楽好きは加藤和彦さんがいたからではないだろうか。ずっとずっとそう思っている。
2009年10月、加藤和彦さん死去。亡くなってから数ヶ月たつんだけれども、その間、中学生のころ、高校生だったころ、今の家内と出会ったころの事。私たちの仲間で毎月毎月フォークコンサートを開催していたころの事。そんなこんなを思い出すことが多くなった。
(2010年3月)