金管楽器
金管楽器と呼ばれているもの。これは別に金属でできていなくても金管楽器である。
孔に唇をあてて、その唇を振動させて発音源にする楽器は金管楽器ということになっている。いわゆるラッパのたぐいだ。
ホモ・サピエンスのクチビル
それにしても、私達ホモ・サピエンス・ヒト科の口は、食料を摂取する入り口が本機能であるのだが、ラッパを鳴らすのにうまくできている。ラッパ演奏可能クチビルである。
考えても見よ。ニワトリやハトのクチバシでラッパが吹けるか。ワニやヘビの口でラッパが吹けるか。コイやウナギの口でラッパが吹けるか。コウロギやトンボの口でラッパが鳴るか。ミミズやオケラの口で・・・ちょっと話が飛びすぎた。
でもさ、ライオンやカバでもやっぱり無理。ね・うし・とら・う・たつ・み・うま・ひつじ・さる・・・・猿ならひょっとしたら吹けるかもしれないけれど、ヒトの唇と比べると貧弱だし口自体がでかすぎるかも。
数十万年前の人類の祖先の復元模型の写真を見ると、これはもうラッパ演奏可能クチビルである。いや、ラッパ演奏最適クチビルといっても過言ではあるまい。
人類は、そして人類の唇は、火を使い、やっと道具を作ることを覚えた頃から、ラッパを演奏することを前提として発達し、もっこり唇に進化したのだ。不思議だが本当だ!
ラッパの誕生
ヒトは、そのもっこり唇を与えてくれた神を裏切らず、自らはラッパを吹くことができないケモノのツノを切り取って、端っこに息を吹き入れた。いや、吹き入れただけではなく、ラッパ演奏可能クチビルをギュギュッと力をこめて息を吹き入れつつ震わせたのだった。ああこれが、ラッパの誕生である。
そしてまた、海に棲む大きな巻き貝に孔を開けて同様な動作をした者も現れた。もうひとつのラッパの誕生である。
実際、ツノとか巻き貝に由来する管楽器の名前はたくさん存在する。
日本には、ラッパに利用する適切はケモノのツノがなかったのか少なかったでツノ製ラッパは発達しなかったようだけど、海に面しているためホラ貝のラッパがあるのはご存の通り。
巻貝のラッパは南太平洋の諸国に存在していて、バヌアツの巻貝ラッパはテッペンに孔ではなく、途中に孔が開いていたりする。
それにしても、海からはとんでもなく遠いチベットにも巻貝ラッパがあるというのは驚きだ。
こんな地理環境で大きな巻き貝を手に入れるのはとても難しいことであったはずで、大きな巻貝はとんでもなく貴重品だったことだろう。むかしむかしの大昔は、ヒマラヤあたりは海の中だったからということもあるが、それは何千万年も前なので人類はまだ存在していないので、念のため。
ノア 約束の舟
2014年6月、映画「ノア 約束の舟」全国公開(航海)・・・・
ノアはホラ貝も箱舟に載せたのだろうか、それともホラ貝は箱舟に載らなくても、水の中だから大丈夫だったのかな。大洪水は海水だったのだろうか・・・この映画を見れば分かるかもしれない。
(2014年6月)